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TERRADA WINE MARKET

ワインの保管熟成

  • 2019.08.01

    1950年10月、お米の保管から事業をはじめた寺田倉庫。名前の通り、以前は物流を中心としたいわゆる“倉庫会社”でしたが、ここ数年、食・アート・音楽・建築・映像など、幅広い分野で文化創造企業として事業を運営しています。

    ワイン事業においては、“ワインライフをより豊かに”というミッションのもと、TERRADA WINE STORAGE/TERRADA WINE MARKETにてワインの購入・保管・管理のワンストップサービスを展開しています。

    ワインの保管サービスは1994年より開始しており、保管熟成の品質にさらに磨きをかけるため、日本で唯一ワインを科学的に研究している山梨大学ワイン科学研究センター教授の柳田藤寿氏とともに、ワインの保管環境に関する研究を行っています。

    2019年7月上旬、2018年に開始した第2回目の共同研究におけるテイスティングを執り行いましたので、その様子をご紹介させていただきます。

    寺田倉庫と山梨大学は、2014年から3年間かけて「ワイン保管における温度の重要性」を検証する第1回目の研究を実施しました。温度の異なる環境において、赤・白ワイン各3銘柄を対象に色・香り・味の変化を調査したところ、結果として“熟成が進み保管に最適な温度は14℃である”ということが、3年間の研究で立証されました。(寺田倉庫の保管温度は14℃±1℃で設定)

    そこで、さらに適切な熟成環境を探求すべく「温度だけでなく、ワイン保管における湿度・照度の重要性」を検証する研究を、第2弾として2018年より開始しました。

    今回は対象をフランス産高級赤ワインに限定し、温度・湿度・照度の異なる5環境においてワインの成分・品質の変化、および熟成状態を分析しております。高級ワインの熟成の適性環境を明らかにすることで、温度・湿度・照度のコントロールも含め第2弾の研究テーマとしています。

    (検証環境)

    1、寺田倉庫ワインセラー保管(温度14℃、湿度70%、暗室)

    2、リカーショップなどのセラー環境を想定(温度14℃、湿度70%、光あり)

    3、家庭用ワインセラーを想定(温度14℃、湿度管理無し、暗室)

    4、押入れ・床下収納等の自宅保管を想定(温湿度管理無し、暗室)

    5、リビング・物置部屋等の自宅保管を想定(温湿度管理無し、光あり)

    (対象ワイン)

    Domaine Trapet Chambertin Grand Cru 2013/1996,

    Château Margaux 2013/Château Lynch Bages 1996

    テイスティングは、コンラッド東京 エグゼクティブ ソムリエ 森覚氏、俺のフレンチTOKYO 長谷川純一氏、ロオジェ 井黒卓氏 3名に、天王洲アイルまでお集まりいただき、実施しました。

    1~5の各検証環境に1年間保管されていたものを銘柄別に比較し、温度・湿度・照度環境による味わいの違いについてコメントを頂けましたので、ご紹介いたします。

    森 覚 氏

    「光に関しては影響があるか否かは判断できず、ボトル差による香りや味わいの違いがわずかに感じられる程度でしたが、検証環境1(寺田倉庫)で保管したものと、検証環境3(家庭用ワインセラー想定)では、高級ワインであっても1年で大きな違い、特に香りに違いがみられ、意外な結果だと感じました。家庭用のワインセラーだと扉の開け閉めや、外気温に影響されやすいこと、また湿度管理が十分にできない、といった理由からでしょうか。ワインにとって適切な温度や湿度というのは、長期の保存・保管となればなるほど重要度が増すということであり、偉大なワインほど、適切な環境下で保存するべきだと改めて感じました。」

    長谷川 純一 氏

    「理想的温度、湿度、照度で熟成したものと、そうでないものとで早くも違いが見られました。特に、検証環境1(寺田倉庫)で保管したものと比べ、検証環境3(家庭用ワインセラー想定)、検証環境4・5(自宅保管)で保管したものとでは、現時点での品質の明らかな低下と、将来性判断の生命線となる酸のボリュームと他の味覚である渋味、甘味、苦味とのバランスの違いを感じ、将来性への不安を抱かざるを得ないと感じました。研究対象が特級クラスのワインでしたので、多少乱れた環境下であっても十分に安定して熟成するものと推測していましたが、1年の時を経てテイスティングをすることで、保管環境の違いでここまでワインの品質に直接的な影響が出ることが分かり驚きました。」

    井黒 卓 氏

    「香りの変化について、検証環境1(寺田倉庫)での保管とそうでないものとの違い、特に検証環境3(家庭用ワインセラー想定)との違いに驚きました。検証環境1(寺田倉庫)のように温湿度管理されたワインは適切に熟成が進んでいたのです。特に、オールドヴィンテージより若いヴィンテージの変化の速さが顕著でした。若いワインほど環境に左右されないと思っていましたが、検証環境1(寺田倉庫)での保管より検証環境3(家庭用ワインセラー想定)に保管したもののほうが、過度に酸化が進んだように感じました。市場に出たばかりの“第2アロマ主体の若いワイン”や、リリースから15~20年経った“ブーケ(熟成香)主体の熟成ワイン”よりも、若いヴィンテージのような、香りが混ざり合う“熟成途中のワイン”の方が、酸化の進みに差が出るのではないか?という個人的な結論に至りました。1番変化が激しい時期である、この”熟成途中のワイン”ほど、保管場所に気をつけたいところです。」

    更にもう1年同じ検証環境下で保管を続け、2020年初夏に最終テイスティングを予定しています。温度・湿度・照度の異なる保管環境での違いを、計測数値による科学的な分析と併せてご報告いたしますので、乞うご期待ください!

    記事著者

    • 寺田倉庫ソムリエチーム

      寺田倉庫専属ソムリエが皆様のワインライフの充実をサポートさせて いただいております。 ワインについてお困りごと等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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