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ワイン醸造地を語る イタリア vol.1

2019-03-05

今から二千年前、古代ローマ時代のワインは貴重なもので、財産として扱われていました。
この時代はワインの飲酒は男子に限られていました。
現在のような発酵技術もなく、ステンレスタンクもなく、ガラス瓶もありませんでしたので、アンフォラと呼ばれる土器で保存されていました。
そのころ既に教会では、ワインはキリストの血であるとされミサにも使用されていました。こうして、ワインは教会を通じてイタリア全土に広められ、各地でブドウ栽培されるようになると、その地方に合わせてブドウの栽培方法や醸造の方法が工夫されるようになり、様々なワインが造られるようになりました。つまり、教会を通じてイタリア全土でワイン造りが行われるようになった、という点がイタリアワインの第一の特徴です。
また、イタリアは、北はフランス、スイス、スロベニアと接し、モンブランやマッタ―ホルンなど4600-4800 メートルの高い山があり、南はチュニジアに300 キロとアフリカに近いところまでをなす、半島になっています。
さらに、半島の背骨にあたる部分には、アペニン山脈が走り、海に面している半島でありながら、山あり、谷あり、湖ありといった複雑な地形を有しています。
これにより、様々な土壌、気候からヴァラエティーに富んだワインが生み出されています。
この、ヴァラエティーに富むワインの存在が、イタリアワインの第二の特徴ということができるでしょう。

イタリアにおいてブドウを栽培する農家は百万軒に達し、ワインの生産者は13 万軒、瓶詰めを行う業者も4 万軒近くあり、毎年20 万枚近くのラベルが生まれています。
このおびただしいワインの数を整理し、その品質を守るための規定としてイタリアのワイン法が整備されたのは1963 年のことで、現在330 以上のDOC(統制原産地呼称)ワインがあり、DOC の上位クラスのワインとしてDOCG(統制保証原産地呼称)ワインが74 規定されています。
DOC ワインの下のクラスには、テーブルワインがありますが、これらのワインの規定は比較的緩く、ブドウの収穫量なども多く規定されています。このテーブルワインの上位に、1992 年、IGT(地理表示付きテーブルワイン)が新設され、全体の3 割以上の量になっています。近年「サッシカイア」に代表されるIGT のカテゴリーながら高品質、高価格で販売されるワインが増え、世界的なイタリア料理、ワインのブームを経て注目されるようになると、トスカーナ地方の高品質IGT ワインが注目されるようになり、「スーパー・タスカン」と呼ばれるようになりました。この、カテゴリー的にはDOC やDOCG ワインよりも低い位置にありながらDOCG ワインよりも高い価格で売られるワインの出現により、もともと種類が多く分かりにくいとされるイタリアワインがさらに分かりにくくなったのも事実といえるでしょう。
今日、イタリアワインの生産量は年間約5 百万キロリットルを超え、世界一のワイン生産国となっており、ワインの輸出量も世界一を誇っています。アメリカでもドイツでも、イタリアワインはフランスワインを凌いでナンバーワンの輸入量を誇っていますが、日本では残念ながら17%程度とフランスワインの三分の一程度の数字になっています。
イタリアワインは、一万軒を超えるイタリアレストランが存在するといわれる日本においてもっと消費されても良
いといえるでしょう。


記事著者

林 茂

ワインコンサルティング会社SOLOITALIA 代表取締役。イタリアに13 年在住し、イタリアビジネス36 年の経験を持つ。日本人初のイタリアソムリエ協会(AIS)認定ソムリエ資格取得者。2016 年にトリュフとワインのアルバ名誉騎士団に選出される。著書は『国家が破綻しても人生は楽しい?』、『 イタリアワインの教科書』、『最新基本イタリアワイン』など。

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