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TERRADA WINE MARKET

ワイン醸造地を語る ブルゴーニュvol.9~村名ワイン~

  • 2019.09.01

     ブルゴーニュにおけるワイン法の最も上級格にあたるのは、より限定された区画のエリアのブドウから造られたワインということになる。つまりそれは「畑の名前が付いたワイン」である。

    その畑名ワインの中でも、さらに「特級」と「一級」に分けられており、はるか昔そのブドウの品質によって細かく区画が分けられたという。

    畑名のワインは、かなり細かく細分化された小さな区画単位であり、それらを包括するように「村」が存在し、その村の名前が付いたワインを「村名ワイン」と呼ぶ。こちらもまた素晴らしいワインであり、飲み手側からしても、ブルゴーニュワインを選ぶ上で、非常に分かりやすい指標になる。

    ブルゴーニュワインを勉強し始めるなら、まずはこの「村の名前のアペラシオン(原産地呼称)」を、できるだけ沢山覚えるようにすれば、徐々にブルゴーニュワインのラベルが理解しやすくなり、レストランのワインリストのブルゴーニュのページを見ても、抵抗なく頭に入って来るようになるだろう。

    そして、これら全体をカバーするのが「地方名ワイン」と呼ばれ、まさに 「Bourgogne ブルゴーニュ」というふうに分かりやすく、地方の名前がラベルに大きく表記されている。ブルゴーニュのワインにおいては、最も手が届きやすい価格帯のワインと言える。

     ただし例外的に、非常に高い評価を得ている生産者が造る場合、この地方名のワインでさえも、村名ワインに匹敵する価格のものも存在する。やはり生産者の力も大きくそのクオリティに反映されるということが分かる。

     「特級」にあたるのは、ブルゴーニュワイン全体のわずか1%と言われ、非常に希少な存在であり、取引価格も世界のトップクラスで普通では考えられないような価格がつけられる。「飲むよりも語られる方が多い」とまで言われ、もはや幻とも言えるようなワインも存在する。「一級」に関しては、全体の約10%程だが、こちらもまた素晴らしいワインであることは間違いなく、それを開ける時は、ワインラバーをとても幸せな気分にしてくれるだろう。これら特級畑、一級畑のワインはいわば世界中のワインから見れば非常に特殊な存在であり、恵まれたテロワールで秀逸な生産者が多大なる努力を擁して生み出した、まさに芸術品だ。

     「村名ワイン」は、一般的に見るデイリーワインとは明らかに異なり、消費者からすると充分に「特別なワイン」であり、さらにそこに評価の高い生産者が造ったとなれば、もはや充分に高級なワインの部類に肩を並べる逸品だ。しかも、ブルゴーニュワイン全体の約1/3を生産するとなれば、より身近な存在でもある。

     先にも述べたように、ブルゴーニュワインを学び始める時にこの「村名ワイン」をできるだく沢山覚えるようにしていくことをおすすめしたのは、「ジュヴレ・シャンベルタン」「シャンボール・ミュジニー」「ムルソー」「ヴォルネィ」のように、村の名前を覚えていくことで、ブルゴーニュワインのラベルがどんどん読みやすくなり、クオリティの判断基準とキャラクターの違いがより見えてくるためである。例えば、「ロマネ」という名前を知っているだけでは、それが「ロマネ・コンティ」(特級畑)なのか「ヴォーヌ・ロマネ」(村名)なのかの判別は難しく、この二つの差はとてつもなく大きい。

     というわけで、まずは村名ワインを手に入れて、その土地と造り手の個性を感じながら、大きめのピノ・ノワールグラスで、ゆっくりと味わいたい。

    

    記事著者

    • 田邉 公一

      ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師。また、都内レストランや企業ドリンクアドバイザー、各種飲料のイベント監修、コメンテーター、執筆、プロモーションなど幅広く活躍。日本酒の難関資格「SAKE DIPLOMAINTERNATIONAL」の1 人。2007 年ルイーズ ポメリーソムリエコンクール優勝。

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