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ワインの保管熟成

2019-03-05

ワインとは、劣化がつきもので非常にデリケートな飲み物である。
同じ醸造酒でも、日本酒やビールなど、常温での保管ができるものとは異なり、温度が高いと熱劣化し、湿度が低いと酸化する。

ワインの最大の特徴は、熟成だ。色調、香り、味わいそれぞれに変化が出る。

赤ワインは濃から淡へ、反対に白ワインは淡から濃へ変化する。
醸造年数の若いワインは、最初はカシス、プラムなどフレッシュなフルーツの香りが特徴だが、熟成すると、ドライフルーツのような複雑な、若いワインでは感じることのできない香りが出てくる。
また、酸味、渋みのある、酸っぱくて苦味を感じる若いワインが、熟成されることで角が取れ、丸みのある味わいに変化する。

このように、熟成することによって、味や香り、色合いに変化が出る。

山梨大学にある、日本で唯一ワインを科学的に研究しているワイン科学研究センター。「ワイン科学者」である農学博士・柳田藤寿教授は、ワインと保管温度の研究を行っている。

ワインの世界は、これまでは「経験」で語られることが多かった。そのワインの世界に科学を取り入れ、より豊かにワインを楽しむことが、柳田氏の目的だ。

2015 年―2017 年に行われた寺田倉庫との共同研究第1回目では、劣化の進みやすい高温の35 度、ワインセラーで設定する14 度、自宅保管を想定した常温、冷蔵庫で保管した4 度、この4 つの温度の異なる環境で1 ヶ月、3 ヶ月、12 ヶ月・・・と経過観察を行った。

「35 度は当然ダメ。室温も予想以上に劣化していました。でも、意外だったのが4 度での保管。低温保管は酸が落ちると言われていましたが、良い結果が出ました。
ただ、ワインの状態が良いと言っても、14 度のほうが微妙な熟成が進み、4 度はフレッシュさが保たれるが熟成は進まない、という違いがありました。ひとくちに「保管」と言っても、「熟成させながらの保管」や、「熟成度合いをキープしての保管」と、ワインに合う選択をすることで、ワインをもっと楽しめるようになると思います。」

この結果から、ワイン熟成のためのよりよい保管環境を追及すべく、温度に加え湿度や光の影響等も検証要素とし、現在共同研究第2 回目を行っている。


記事著者

柳田 藤寿/ 農学博士

東京都生まれ。1988 年東京農業大学大学院を修了、農学博士号取得。1990 年から山梨大学の助手としてワイン中の乳酸菌に関する研究を行う。2000 年に世界で初めて海水から分離した海洋酵母によるワイン開発に成功、ヒット商品となる。2008 山梨大学教授に就任。2012 年山梨大学評議員に就任。現在、日本ブドウワイン学会など8 つの学会に所属。

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