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フランス醸造地を語る vol.6 ブルゴーニュ編 ~コート・ド・シャロネーズ~

  • 2019.05.16

     黄金の丘 コート・ドールを南へと進んでいくとコート・シャロネーズ地区に辿り着く。南北約40Kmの丘陵地帯で、東西は4〜6km。ここはブルゴーニュ地方の中でも、あまり多くを語られていないエリアなのかもしれない。

     立地は、名だたるワインを生み出すコート・ドールよりもやや標高が高く冷涼で、ブドウ畑の斜面の方向などの関係から、より軽やかでフルーティなスタイルに仕上がる傾向がある。コストパフォーマンスにも優れた、スパークリング、白、赤ワインが造られていることで有名だ。


     北から「ブーズロン」「リュリー」「メルキュレィ」「ジヴリ」「モンタ二ィ」とA.O.C.(原産地統制名称)が続く。いずれも村名のA.O.C.で、場所によりプルミエ・クリュ(1級畑)が存在するが、グラン・クリュ(特級畑)はない。


     このエリアで有名な「クレマン・ド・ブルゴーニュ」は、あのシャンパーニュと同様に瓶内二次発酵で造られるスパークリングワインである。

     二次発酵の後、瓶内でオリと一緒に熟成させる時間が、シャンパーニュよりも短いことから、比較的シンプルで軽やかなイメージのスパークリングワインとなるが、クレマンはその土地の品種個性がはっきりと表現されるため、シャンパーニュ とはまた違った魅力を持つ。そして、フランスの各地方でも造られるクレマンにも同様のことが言える。

     クレマンも他のワインと同じく、それぞれの土地の郷土料理と合わせると見事にマッチして、食事をより楽しいものにしてくれる飲み物である。

     例えば、クレマン・ド・ブルゴーニュをよく冷やして乾杯のスパークリングワインとして用意し、まずはグージェール(チーズ入りのシュー)をお突き出しとして合わせ、その後、鶏肉を使ったパテの前菜や、季節のキノコをたっぷりとバターでソテーしたオードブルと合わせて楽しむ、というのもおすすめだ。

     その他にも、もちろん素晴らしいワインは存在する。

    「メルキュレィ」の赤ワインは、「シャロネーズ最高の赤」とも形容され、コート・ド・ボーヌ地区の赤ワインにも匹敵するような素晴らしいものもあり、レストランのワインリストにもオンリストされているのをよく目にする。

     コート・ドールの著名なワインの価格が高騰していく中、コストパフォーマンスに優れたこのメルキュレィの存在は、ソムリエにとっても、ブルゴーニュの赤ワインをゲストへ提案する上で、心強い存在である。

    「リュリー」は、クレマン・ド・ブルゴーニュ用のブドウの供給地としても活躍が知られているように、その冷涼なエリアの特性から、高品質の白ワインの生産地として定評がある。もし私が「シャロネーズで最高の白は?」と問われた場合、生産者の話を除くとしたならば、「リュリー」と答えるだろう。

     そして「ブーズロン」は、ブドウ品種「アリゴテ」から造る白ワインを生み出し、一種独特の存在感を放っている。

    カクテル「キール」はとても有名であるが、「白ワインにカシスを少量ブレンドする」ということは分かっていても、もともこのアリゴテ種を使うのが発祥のレシピであるということを知る人は、もしかしたら少ないのではないだろうか。


     このように、コート・ド・シャロネーズ地区にも、他のブルゴーニュ地方のエリアにはない、輝かしい個性を持ったワインがたくさん存在している。

    皆様にも、これらの素晴らしいワインをぜひ味わっていただきたいと思う。


    記事著者

    • 田邉 公一

      ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」講師。また、都内レストランや企業ドリンクアドバイザー、各種飲料のイベント監修、コメンテーター、執筆、プロモーションなど幅広く活躍。日本酒の難関資格「SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL」の1 人。2007 年ルイーズ ポメリーソムリエコンクール優勝。

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