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TERRADA WINE MARKET

ワイン醸造地を語る イタリアvol.4~バルバレスコ~

  • 2019.05.01

     1980年にDOCG認定されたバルバレスコは、イタリアワインの王様と称されるバローロの弟分として知られる長熟赤ワインです。ピエモンテ地方の有力ワインを生み出すアルバの町の北東に位置します。

    白トリュフやポルチーニ茸など、食の分野でもよく知られているアルバを挟んでちょうどバローロと数キロ離れた反対側にあります。バルバレスコのワインはバルバレスコ村、ネイヴェ村、トレイゾ村を中心に造られています。ブドウの栽培面積は700ヘクタールとバローロの三分の一以下で、毎年生み出されるワインも500万本に満たない数です。バローロと同様の品種、ネッビオーロ種を用いますが、バローロ同様ランピア、ミケ種から造られます。ヘクタール当たり8トン以下と収穫量の規定はバローロと同じですが、アルコール度数は12.5%以上とバローロより0.5%低く、最低熟成期間も2年とバローロよりも1年短くなっています。


     バルバレスコは、古くは甘口ワインとして造られていたといわれますが、19世紀末、エノロジストのドミツィオ・カヴァッツァによって今日のバルバレスコの基礎が作られました。カヴァッツァは、バルバレスコのワインに愛情を注ぎ、このワインが他のワインに比べ不当に安い価格で取引されているのを是正すべく努力しました。また、自らもバルバレスコの土地を購入し、バルバレスコの品質向上を図りました。1894年、カンティーナ・ソシャーレ(生産者協同組合)が設立され、バルバレスコが本格的に造られるようになりました。1926年には生産地域が定められ、1933年バローロと同時に生産者協会ができ、1966年にDOCの一つとなっています。1970年代になると世界中に輸出されるようになり、各国の品評会で数多くの賞を獲得するようになりました。


     バルバレスコの代表的な生産地域には3つの村があり、バルバレスコ村、ネイヴェ村、トレイゾ村の順に生産量が多く、バルバレスコ村は全体の5割に近いブドウ畑があります。そのあと、ネイヴェ村、トレイゾ村と続きます。バローロ同様に限られた地域に多数の生産者がひしめいており、1軒あたり1ヘクタール強程度の小規模生産者が多く存在しています。

    バルバレスコ村の標高は200メートルから300メートル。ブドウ品種はネッビオーロ種の生産比率が高く、6割を占めます。このほか、ドルチェット種を使ったDOCドルチェット・ダルバ、バルベーラ種を使ったDOCバルベーラ・ダルバなどのワインが造られています。地域内に24のクリュがあり、アジリ、ロンカリエ、マルティネンガ、ラバヤなどの地区があり、チェレット社、マルケージ・ディ・グレジ社、ブルーノ・ロッカ社、アルビーノ・ロッカ社、ブルーノ・ジャコーザ社などのワインが知られています。

    ネイヴェ村は標高200メートルから350メートルに位置し、地域内のネッビオーロ種の比率は2割程度で、モスカート、バルベーラ、ドルチェットなどの品種が植えられています。18のクリュがあり、ガッリーナ、サント・ステファノなどの地区、ラ・スピネッタ社、ブルーノ・ジャコーザ社などのワインが知られています。

    トレイゾ村は標高420メートルに達する、バルバレスコで最も標高の高い地域。ネッビオーロ種の比率は2割程度で、モスカート種、ドルチェット種などの品種が多く植えられています。13のクリュがあり、ヴァレイアーノ、ベルナルドットなどの地区のラ・スピネッタ社、チェレット社などのワインが知られています。

    この他、バルバレスコの名を世界に知らしめ、コスタ・ルッシ、ソリ・サン・ロレンツォ、ソリ・ティルディンなどの畑をバルバレスコ村に持つガイヤ社は、2000年ヴィンテージからバルバレスコではなく、DOCランゲ・ネッビオーロのカテゴリーでワインを造るようになっています。

     バルバレスコは、ワインにするとルビー色で、熟成を経るにしたがいオレンジ色を帯びたガーネット色になります。バラの香りやコショウのスパイシーな香り、エーテル香を含み、力強くバランスのとれた辛口ワインです。一般的にはバローロに比べソフトでエレガントなワインになるといわれますが、近年の醸造法の変化により、一部のバローロを凌ぐしっかりとした味わいの長熟ワインも造られるようになりました。

    牛肉と野菜、トマトなどを煮込んだ料理、ブラザートやピエモンテ名物の野ウサギの赤ワイン煮などの料理に合うほか、熟成させたものはジビエ料理や熟成辛口チーズなどにもよく合います。

     

    GAJA(ガヤ):1859年に創設されたバルバレスコでトップクラスの地位を守り続けるワイナリー。現当主のアンジェロ・ガヤ氏は4代目。伝統的なワイン造りにこだわりつつも、革新的な技術を取り入れ、5代目となる3人の子供たちとともに、ワイン造りを続けるバルバレスコの代表格。


    BRUNO GIACOSA(ブルーノ・ジャコーザ):ランゲ地区で3代にわたってワイン造りを続けるワイナリー。 3代目にあたる現当主ブルーノは、1961年に、自身の名を関したバルバレスコ“ブルーノ・ジャコーザ”をリリースした。 その後1980年代には、バローロのアジリ、ラバヤ、バルバレスコのファッレットの畑を購入し、素晴らしいワインを造っています。

    記事著者

    • 林 茂

      ワインコンサルティング会社SOLOITALIA 代表取締役。イタリアに13 年在住し、イタリアビジネス36 年の経験を持つ。日本人初のイタリアソムリエ協会(AIS)認定ソムリエ資格取得者。2016 年にトリュフとワインのアルバ名誉騎士団に選出される。著書は『国家が破綻しても人生は楽しい?』、『 イタリアワインの教科書』、『最新基本イタリアワイン』など。

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